哲学とは?
「答えが出ないとわかってて、なぜ人は哲学するのか?」
そう思ってるなら――それ、めちゃくちゃもったいない。
ネットではよくこう言われます。
「絶対的な答えなんてない。哲学なんてムダ。」
……でも、それって本当に“ムダ”なんでしょうか?
このページでは、哲学が「面倒な知識」ではなく、
“考える力”をくれる超実用的な武器だ
ということを紹介します。
読み終わる頃には、あなたもこう思ってるかもしれません。
「やべーじゃん。哲学徒に、私はなる。」
この記事でわかること
1.哲学ってなに?
みんなが納得できる答えを
目指して考え続けること
ここでいう「みんなが納得する」とは、
立場や意見の違いを越えて、
「それなら確かにそうかもね」
と思えるラインを探すこと。
もちろん、そんな答えが簡単に見つかるなら苦労はしません。
だから哲学は、
「人によって違うよね〜」で終わらせない。
むしろそこからが本番なんです。
たとえば、こんな問い。
- AIに“心”はあるのか?
- SNSの誹謗中傷はどこまでが“自由”なのか
- 良い社会とは何か
こういうテーマって、
意見が真っ二つに分かれることが多いですよね。
「まあ価値観の違いだし…人それぞれだよね。」
でスルーもできる。
でも哲学は、そこで止まらない。
「ここまでは誰でも納得できる」
という共通ラインを、
丁寧に拾い集めていきます。
たとえば、良い社会とは何かについて
- 最低限の人権は守られるべきだよね。
- 暴力は絶対だめだよね。
など、分断の中にも見つかる“共通点”に注目して、
みんなが納得するギリギリのラインを見つけていく。
それが哲学のアプローチです。
しかし、哲学が求める答えは
“永遠に変わらない正解”じゃない
ここで大事なポイントがひとつ。
哲学が出す“答え”は、
時代とともに変わる可能性があるということ。
たとえば、昔は
「女は家庭にいるべき」
なんて考えが“常識”とされていたこともありました。
でも今、それをそのままX(旧Twitter)で言ったら、
間違いなく炎上しますよね。
つまり哲学は、
「今の私たちにとって納得できる考え方とは何か?」
を問い続ける営みなのです。
この章のまとめ
- 哲学とは、「人それぞれ」で終わらせない考え方
- 「誰もが納得できるライン」を探すのが哲学
- ただし、“絶対的な正解”を出すわけではない
2.哲学を学ぶメリットって?
もちろん、「これさえやればOK!」
みたいな即効性のある解決策はくれません。
でも、自分の中にあるモヤモヤを、
ちゃんと言葉にして向き合う力をくれる。
それが、哲学の大きな価値です。
哲学を学ぶとは、
「自分の考えを深めるスキル」
を磨くということ。
たとえばこんなとき。
- 「自分にとっての幸せって何だろう?」
- 「SNSで他人と比べてばかり。なんでこんなにしんどいんだろう?」
- 「正しいことをしてるはずなのに、なぜか納得できない」
こうした“名前のない不安”に向き合うとき、
哲学はヒントになります。
なぜなら哲学は、
「問いを掘る力」と「考えを整える力」を育ててくれるから。
自分の中にある感覚や価値観を、
ただ“なんとなく”にせず、
ちゃんと筋道を立てて言葉にしていくことで、
自分でも気づかなかったモヤモヤの正体が
少しずつ見えてくる。
そしてその言葉が、
他人とも共有できる“納得点”に
近づいていくこともある。
だからこそ、哲学は「みんなが納得できるライン」を
探す営みでもあるんです。
哲学者たちも、悩みの先輩
例えば、「幸せって何?」という問い、
実は古代からずっと考えられてきた
超王道テーマでもあります。
論破王ソクラテスはこう言いました。
「幸せは外にあるものじゃない。評価でもお金でもなく、
“自分の内側”を整えることにこそある。」
つまり、“魂を鍛えること”=“自分の生き方を深めること”が幸せだと。
一方、近代に登場した「神は死んだ」で有名なニーチェは
まったく別のアプローチ。
「常識なんかぶっ壊せ。自分で意味を作れ。
そこにこそ自由があり、幸せがある。」
これはまさに、周りの正しさに縛られて苦しくなる
現代人へのメッセージにも響きます。
そして今、
哲学者たちは「他者とのつながり」や「環境の持続可能性」など、
もっと広い視野で“幸せ”を問い直しているんです。
哲学は、悩みに答える“本棚”
悩んだときに、頼れる誰かがいてくれるだけで、
ちょっと気持ちが楽になることってありませんか?
哲学はそんな感じで、
「悩みに答えてくれる本棚」みたいな存在です。
時代も価値観も違う哲学者たちが、
「こう考えたら楽になったよ」
「こういう生き方もアリだよ」って、
無数の答えをくれている。
その中から、
「今の自分にフィットする考え方」を選べばいい。
正解はひとつじゃない。
だけど、「道しるべ」はたくさんある。
それが、哲学の面白さであり、強さです。
この章のまとめ
- 哲学を学ぶと、
モヤモヤを言語化する“思考のスキル”が身に付く - 哲学は、自分に合った答えを探せる“本棚”みたいな存在
哲学を学ぶには?
哲学を学ぶのに、特別な準備はいりません。
まずは一冊、本を読んでみること。
そこからすべてが始まります。
でも、「哲学ってむずかしそう…」と思ってしまう人も多いはず。
そこで今回は、
タイプ別におすすめの本を3冊だけ紹介します。
1.しっかり体系的に学びたいあなたへ(ちょいむずかも)
『幸福とは何か ─ソクラテスからアラン、ラッセルまで』
(ピーター・J・ストーン著)
幸福とは何か ─ソクラテスからアラン、ラッセルまで
「哲学的に幸せってどう捉えられてきたのか?」という問いに、
古代から現代まで、幅広く丁寧に答えてくれる一冊。
哲学書らしく、
少し歯ごたえはあるけれど、読み切れば「自分で考える力」がちゃんと
育ってる感覚が得られます。
学問の哲学として読むレベルかな。
2.まずは楽しく入りたいあなたへ(一番おススメ!)
『史上最強の哲学入門』
(飲茶 著)
史上最強の哲学入門
哲学者たちが「入場~!」してくるという破天荒な刃牙みたいな演出で、
笑いながら哲学の世界観に触れられる一冊。
堅苦しい言葉が苦手な人でも大丈夫。
哲学ってこんなに面白かったんだ、と思えるはず。
まさに史上最強
3.ゆっくり“考える時間”を楽しみたいあなたへ(私が大好きな本)
『水中の哲学者たち』
(岡本裕一朗 著)
水中の哲学者たち
この本は、
「哲学=知識を増やすもの」というイメージを
いい意味で裏切ってくれます。
筆者は、普段見過ごしがちな日常の出来事から、
静かに深く思考の海へと誘ってくれます。
たとえば、エレベーターの「開くボタン」って本当に意味あるの?
このような小さな疑問が、
気づけば
「自由とはなにか」
「他者とはどう関わるべきか」
という根本的なテーマに変わっていく。
まるで、
水の中でゆっくりと呼吸しながら考え続けるような読書体験。
肩の力を抜いて、
自分のペースで「問いとともにある時間」を過ごしたい人にこそ、
読んでほしい一冊です。
この3冊は、
どれも最初の一歩にちょうどいい本ばかりです。
「ちょっと読んでみようかな」と思えるものから
手に取ってみてください。
最後に、
あなたはどんな問を抱えていますか?
答えを探す旅の第一歩は、もう始まってます。