3つの幸福|幸せになるにはどうすればいいのか?【頑張っても幸せを感じられないあなたへ】

アイキャッチ 自分とのつながり

 

「なぜ、努力しているのに幸せになれないのか?」

昇進しても、年収が上がっても、どこか満たされない。
現代の多くの社会人が、こんなモヤモヤを抱えています。
社会人だけでなく、学生もそう感じることはあるでしょう。
「もっと頑張れば、きっと幸せになれるはず」

そう信じて走り続けても、どこかで息切れしてしまう。
実はこの”幸福の迷子”状態には、れっきとした原因があります。
それは、幸福に「順番」があるという事実を知らずに、
誤った順序で幸せを手に入れようとしてしまっているからです。

哲学や心理学では、何千年も前から「幸福とは何か」が議論されてきました。
でも、こう思ったことはないでしょうか?

「で、結局、今日の私は何をすればいいの?」
この問いに、科学の力で答えるのが今回の記事です。

この記事で分かること

幸せを感じるメカニズム
頑張っても幸せになれない理由
心理学的に正しい幸せになる方法
具体的な実践方法

第1章:幸福の正体は「3つの脳内物質」だった

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「幸福とは何か?」
この問いに対して、哲学や宗教、心理学は長い時間をかけて答えを探してきました。
しかし私たちが本当に知りたいのは、
「どうすれば、今日もっと幸せを感じられるのか」という具体的な方法
ではないでしょうか。

そのヒントは、脳内の”化学反応”にあります。
幸福はふわっとした感情や偶然の産物ではありません。
脳内で分泌される3つの物質によって、
私たちは「3つの幸福」を感じているのです。

1. ドーパミン的幸福:成功と達成の幸福

夢が叶ったとき。目標を達成した瞬間。仕事で認められた時のあの高揚感――
それを生み出しているのが、ドーパミンです。
やる気、集中力、達成感。いずれもドーパミンの力によって引き出され、
私たちを前へと突き動かします。自己成長や挑戦を楽しむ力の源でもあります。

依存症の原因でもある

ドーパミンは”報酬”によって分泌されるため、快感を得るたびに「もっと、もっと」と
欲求が強まるという依存性の一面を持っています。
SNSの通知、ギャンブル、
買い物中毒――これらはすべて、ドーパミンが暴走した状態と言えるでしょう。

2. オキシトシン的幸福:人とのつながりが生む幸福

誰かと笑い合ったとき。
ふとした親切に心が温かくなったとき。
そんなときに分泌されるのが、オキシトシンです。
「愛情ホルモン」とも呼ばれ、信頼、共感、安心感といった”人とのつながり”を深めてくれます。

【Coffee Break】孤独は1日15本のタバコと同じ?

驚く話をしましょう。
孤独は、1日15本のタバコを吸うのと同じくらい体に悪い。
これ、実は科学的事実なんです。アメリカの公衆衛生局長官が発表した研究によると、
社会的つながりが不十分だと、心臓病リスクが29%、脳卒中リスクが32%も
増加するそう。
この原因がまさに「オキシトシン」です。人とのふれあいで分泌されるこのホルモンは、実は体の炎症を抑え、血管を健康に保ってくれる「生きる薬」だったのです。
一人で頑張ることが美徳とされがちな現代。でも、誰かとの他愛ない雑談や、ペットとの時間、家族への「お疲れさま」の一言も、実は私たちの健康を支えてくれています。
今日の午後、誰かとの小さなつながりを一つ、作ってみませんか?

3. セロトニン的幸福:心と体の健康をつくる幸福

朝の光を浴びて散歩する。
温かいお茶を飲みながら、ほっと息をつく。
そうした「静かな満足感」を生み出すのが、セロトニンです。

この物質は、自律神経を整え、ストレスを和らげ、心と体のバランスを保ってくれます。
いわば、すべての幸福の”土台”です。
うつ病や不眠症などの治療でも、セロトニンの分泌量が重要視されていることからもわかる通り、
メンタルとフィジカルの安定には欠かせない存在です。

幸福には、積み上げるべき”順番”がある

ここで大切なのは、この3つの幸福には”優先順位”があるということです。
多くの人は、ドーパミン的幸福――つまり「成功」や「目標達成」を最初に求めます。
しかし、セロトニン的幸福(心身の健康)や、オキシトシン的幸福(人間関係)が不足した状態でいくら成功しても、
それは一瞬で揺らいでしまいます。

3つの幸福はピラミッドだと考えてください。
• 土台:セロトニン(健康)
• 中段:オキシトシン(つながり)
• 頂点:ドーパミン(達成)
この順番を守らず、いきなり頂点だけを狙えば、不安定で崩れやすい幸福になってしまうのです。
「もっと頑張れば、幸せになれるはず」と信じてきた人ほど、もしかすると順番を間違えていただけなのかもしれません。

幸せの三重段

第2章:なぜ、私たちは「幸せになれない」のか?

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夢だった仕事に就いたはずなのに、何かが足りない。
「これが幸せ?」と自問しては、また新しい目標を追いかける。
でも、達成した瞬間の高揚は、すぐに薄れていく。
──そんな空回りを、あなたも感じたことはないでしょうか?

ドーパミンを優先すると、心がすり減る

私たちがもっとも惹かれやすいのは、ドーパミン的幸福です。
目標を達成する快感、成果を認められる喜び、SNSの「いいね」
――この社会は、常に「もっと上へ」と背中を押してきます。
ですが、ドーパミンには厄介な特性があります。

一度満たしても、それはすぐに”慣れてしまう”
ということです。
もっと稼ぎたい。もっと評価されたい。もっと特別になりたい。
こうして幸福の基準がどんどん上がっていき、
気づけば「今の自分では不十分だ」と感じるようになります。

結果として、努力を続けているのに、心はどこか落ち着かず、むしろ疲弊していく。
――これが、現代人が陥りやすい幸福の”逆転現象”です。

幸せの土台を整える、セロトニン的幸福

では、どうすればこのループから抜け出せるのでしょうか?
答えはシンプルです。まず「セロトニン的幸福」から満たすこと。
セロトニンは、「頑張ったから得られるもの」ではありません。
太陽の光を浴びる。
リズムのある運動をする。
深呼吸をする。
青空を見上げる。
――それだけで、脳は静かに「安心していいよ」と信号を送ってくれます。

この”じんわりとした安定感”が、心と体に余裕をつくり、
人間関係(オキシトシン)や挑戦(ドーパミン)を自然に受け止められる土壌になるのです。

新作のドラマを一気見したときのように、最初は夢中になって楽しんでいたのに、
数日経つとその感動は薄れ、次の刺激を探してしまうような感覚がドーパミン的幸福。
一週間連続で青空だとしても、飽きることなく心地よさを感じられるのがセロトニン的幸福。

成功の前に、まず”整える”

自己実現や成長は、決して悪いことではありません。
むしろ、それも人生の豊かさの一部です。
でも、それを支える心の地盤がグラグラでは、何を積み上げても不安定になってしまいます。

「自分にはもっと必要だ」ではなく、
「今、自分は十分に生きている」と感じられること。
それが、本当の意味で”幸せを感じる力”なのです。

セロトニン的幸福は、いつでも誰でも手に入れられる

高い目標も、大きな成功もいりません。
「ちゃんと寝る」「しっかり食べる」「毎日歩く」
そんな当たり前を、もう一度丁寧に積み上げてみましょう。
次章では、セロトニン的幸福を日常で育てる具体的な方法を紹介していきます。
焦らず、順番を整えるだけで、人生は静かに変わり始めます。

第3章:今日からできる、セロトニン的幸福の育て方
― 幸せは”整えること”から始まる ―

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「幸せになりたい」と願う前に、まず”整える”

あなたが今、「もっと幸せになりたい」と思っているとしたら——
まずは心と体の状態を、そっと”整える”ことから始めてみませんか。
特別な才能や劇的な行動は必要ありません。
幸福の土台であるセロトニンは、毎日のちょっとした習慣で自然と増やすことができます。
ここでは、科学的に効果が認められている2つの習慣を紹介します。
どちらも、今日から、誰にでもできる方法です。

朝散歩のすすめ ——「朝15分」があなたを変える

セロトニンを増やすために最も手軽で効果的な方法の一つが、朝の散歩です。
あなたの朝に、15分だけ”自分のための時間”を足してみてください。
たったそれだけで、世界が静かに変わります
なぜ”朝”がいいのか?

セロトニンは、「太陽の光」と「リズム運動」によって活性化されます。
特に、起床後1時間以内に朝日を浴びながら歩くことで、脳が覚醒し、セロトニンの分泌が高まることが分かっています。

時間の目安は15分。
少し早歩きながら深呼吸をするだけで十分です。
どんな効果がある?
  • 一日を前向きに始められる
  • 自律神経が整い、ストレスに強くなる
  • 夜の睡眠の質が改善される(セロトニンはメラトニンの原料)
ポイント
  • スマホは見ない(意識を”今ここ”に向ける)
  • 無理に続けようとせず、できる日だけでもまずはやる。
    「できたらラッキー」くらいの気持ちでOK
朝がどうしても無理!という人安心してください!
まずは次の夜にできることをしてみてください!
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3行ポジティブ日記 —— 「小さな幸せ」に気づく習慣

もうひとつの方法は、夜の時間を使った3行ポジティブ日記です。
これは、「今日よかったことを3つ書く」というだけの、非常にシンプルな習慣です。
なぜ効果があるのか?

人間の脳は、ネガティブな出来事に注意を向けやすい性質を持っています。
しかし、ポジティブな出来事を意識的に言語化することで、セロトニンの分泌が促進されると研究で示されています。

ある研究では、3行日記を2週間続けたグループは
・幸福度スコア:56→58に上昇(半年後には61に)
・うつスコア:14→10に低下
という明確な改善が見られました。
書き方のコツ
  • 「うまく書こう」と思わなくていい
  • 小さなことこそOK(例:「昼に飲んだコーヒーがおいしかった」)
  • 感情をひとこと添えるとより効果的(例:「安心した」「嬉しかった」)
NG例
• 義務感で書く(続かなくなります)
• 「なかった」と諦める(どんなに小さなことでも見つけるクセを)

終章:幸福の順番を整えて、本当の豊かさを手に入れよう

conclusion

なぜ、努力しているのに幸せになれないのか?

この記事の冒頭で投げかけた問いに、今、あなたはどんな答えを見つけたでしょうか。
多くの人が陥りやすい「幸福の逆転現象」。 それは、決してあなたの努力が足りないからでも、
能力が不足しているからでもありません。
ただ、幸福には正しい順番があるという事実を知らなかっただけなのです。

もっと深く学びたいあなたへ

今回の記事では、特にセロトニン的幸福(心身の健康)を中心にお伝えしました。
しかし、3つの幸福にはそれぞれ、もっと深い世界が広がっています。
ドーパミン的幸福について詳しく知りたい方

セロトニン的幸福の育て方をもっと学びたい方

この記事の元になった一冊

この記事の内容は、精神科医・樺沢紫苑先生の著書 『精神科医が見つけた3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』 をもとに構成しています。
シリーズ累計10万部突破のベストセラーとなったこの本は、
観念的な幸福論を述べたものではなく、あくまで「実用のための幸福」を目指すものとして、
多くの読者に愛され続けています。
もし今回の記事で「もっと詳しく知りたい」と感じたなら、
ぜひ本書を手に取ってみてください。
きっと、あなたの人生を変える具体的なヒントが見つかるはずです。


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今日から始める、あなたの幸福の第一歩

「もっと頑張れば、幸せになれるはず」 その思い込みを、
そっと手放してみませんか?
あなたはもう十分に頑張っています。 今度は、正しい順番で幸福を育てる時です。
幸せは、遠くにあるものじゃない。
今日という日の中に、すでに小さな種として存在しています。
その種に、優しく水をあげることから始めてみましょう。

今日のあなたが、明日のあなたを幸せにする。 そして明日のあなたが、未来のあなたを支えてくれる。
そんな穏やかな循環の中で、本当の豊かさを手に入れていきませんか?

 

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