「自分には、価値がないんじゃないか。」
私がそう思うときは、誰かと比べて能力が劣っていると感じるときです。
だったら能力を上げて勝てるようにすればいい、
そう思って努力したら、今度はなんと能力では勝っている人に負けました。
人の価値は能力だけでは決まらない。
これはあなたも気づいていることかもしれません。
では、本当の「人の価値」とは、何で決まるのでしょうか?
どうすれば、価値を高められるのでしょうか?
今回は、そんな問いに対して、心理学と行動戦略の視点から一つのヒントを
お届けします。
この記事の対象
結論を先にお伝えしましょう。
人の価値は、「3つのC」で決まります。
そしてこの記事では、最後の「Character」
――つまり「自分らしさ」や「印象の作り方」に焦点を当てて、
“損をしない・でも好かれる”という、「いい人戦略」についても紹介します。
人の価値は「3つのC」で決まる
「人の価値って何で決まるんだろう?」
この問いに答えるために、まずはシンプルなフレームを紹介します。
それが、3つのCです。
努力や成果で生まれる価値。実力や専門性は、他者からの信頼や評価のベースとなる。
どこに所属しているか、誰と関わっているか。環境や人脈があなたの見え方を変える。
“なんかいい人”の印象。共感力や安心感を与える力が、じわじわと価値になる。
順に見ていきましょう。
1. Content──能力・スキル・実績
まず一番わかりやすいのが、「能力」です。
私たちが「自分の価値を高めたい」と思ったとき、まっさきに思いつくのがこれではないでしょうか?
資格を取る、勉強する、スキルを身につける、実績を作る。
頑張って、努力して、成果を出していく。
これはとてもまっとうで、そして強力な価値の源泉です。
でも、能力を上げても報われないことがあるというのもまた現実です。
どれだけ頑張っても、評価されない。結果がついてこない。
そもそも上には上がいる。
2. Community──人とのつながり・居場所
次に、見落とされがちだけど、実はとても大きな影響を持つのが「コミュニティ」。
あなたがどんな場所に属していて、どんな人とつながっているか。
「人脈が価値だ」と言われるのは、この部分の話です。
正直なところ、能力が同じでも、「どこに属しているか」「誰とつながっているか」で、
評価も待遇も大きく変わります。
たとえば同じ実力でも、
・有名企業に勤めている人
・SNSで影響力がある人
・信頼できる仲間が周りにいる人
の方が、価値が高く見られることがある。
ただ、人脈は、自分でコントロールしづらい。
どこに生まれたか、どんな家に育ったか、今どんな人間関係に囲まれているか。
これらは、自分の努力ではどうにもならない部分が大きいのです。
3. Character──人柄・“なんかいい人”
自分の価値を上げようと思って、人柄を変えようとする人はほぼいないでしょう。
でも、一番初めに取り組むべきなのがこのcharacterだと私は思います。
『ドラえもん』ののび太を思い出してください。
のび太自体は勉強もできない、運動も出来ない、
なのにドラえもんが色々助けてくれますよね。
「なんかあの人っていいよね」と言われたり、
「なぜか輪の中心になる人」って、身の回りにいませんか?
まるで
決して万能じゃないけど、なぜか人に愛される、そんな存在です。
このCharacterの部分こそが、
ここを伸ばすことが一番効果的に価値を上げられるはずです。
3つのCすべてが人の価値を形作りますが、
「Character」は唯一、今からでもすぐに変えられる・伸ばせる部分。
次の章では、この「Characterの伸ばし方」、
つまり「好かれる”いい人戦略」について、具体的に見ていきましょう。
「いい人戦略」──“いい人のふり”が一番得する
世の中には、本当に優しくて、誠実で、思いやりにあふれた「いい人」がいます。
でも正直に言って、そんな風に生きるのは、私はちょっとしんどい。
だからここでは、そういう理想像を目指すのではなく、
「損をせずに、でもちゃんと好かれる」戦略的な“いい人のふり”を伝えます。
この「いい人戦略」には前提条件があります。
まずは、「悪い人戦略」から、きっぱり降りること。
まずやめるべき2つのこと
「いい人戦略」を始める前に、
悪い人戦略から降りましょう。
これはあなたが損をする行為だからです。
これは意外かもしれません。でも、
アドバイスは“求められたときだけ”する。
求められてもいないアドバイスは、ありがた迷惑になりがちです。
• 的確なアドバイス:→癇に障る
• 的外れなアドバイス:→「この人、わかってない」と思われる
つまり、どっちでも嫌われるリスクがあるのです。
だからこそ、自分からアドバイスするのは避けましょう。
もし誰かが相談してきたら、そのときに少しだけ――それも、断定的ではなく、
「私だったらこうするかもね」くらいがちょうどいいのです。
これも重要です。
悪口は、一見その場では盛り上がるし、楽しいのはよくわかります。
でも、時代が変わりました。
今はすべてが記録され、簡単にバレる時代です。
政治家の悪事がすぐばれていくように、隠し通せない時代です。
友達との会話、家族との雑談、SNSの一言――
どこに火種があるかわからない。
だからこそ隠す努力ではなく、そもそも言わない努力をするべきなのです。
どんなに信用している相手でも、悪口は言わないほうが安全です。
「でも、吐き出さないと苦しい」という人もいるでしょう。
そんな人には、
誰にも見せないノートに書き出すのがおすすめです。
書くことって喋ることより吐き出されます。ノートでガス抜きをしてみるのがいいでしょう。
【Coffee Break】書くことは大事
自分の思っていることを書き出すというのは、心理学において
かなり有効な方法だとされています。
悪口に限らず、不安なことでも、人には言えないようなことでも
紙に書きだすことは、私たちの不安を和らげてくれます。
書くときのコツは、ただ一つ。
人に見せないので、思ったことを素直に表現し続けること。
以下の記事で、書くことについて触れているので、この記事の後にどうですか?
この2つをやめるだけで、あなたの人間関係は一気に“いい方向”に動き出します。
では、いよいよ「いい人戦略」の実践編へ。
どうやって“いい人のふり”をして、損せずに価値を上げていくのか。
次の章で、その具体的なテクニックをお伝えします。
「いい人戦略」の具体例
――口だけで“いい人”になる方法
さて、ここからが本題です。
「悪い人戦略」をやめる準備ができたあなたに、次は“いい人っぽく見える”ための、
具体的な技術を伝授します。
安心してください。
すべて、“口だけ”で済みます。
なぜ口だけでいいのか?
それは、人は「本当に助けてくれた人」より、
「気にかけてくれた人」に心を開くからです。
つまり、気持ちを“見せる”ことの方が大事なのです。
まずはこれ。
落ち込んでる人、悩んでいる人に言うべき魔法の言葉。
「わかる、それ、しんどいよね。」
ただそれだけでいい。
アドバイスはいらない。解決策も不要。
人は「わかってくれる人」を好きになります。
たとえわかってなくても、「わかる」と言うだけで、
なぜか通じ合えるのが人間の不思議。
実際に行動する必要はありません。
とりあえず、「手伝おうか?」と聞くだけでいいんです。
「何かあったら言ってね」
「応援してるよ」
「力になれることがあったら、いつでも言ってね」
このひとことがあるだけで、あなたの印象は“いい人”に格上げされます。
そして、たいていの人はあなたからの期待に応えたいので、あなたを
頼っては来ません。
応援・手伝う・助ける…と言ったことを忘れましょう。
人間はなかなか人に頼ろうとはしません。
なのでこちらから助ける必要もないのです。言ったことも忘れてしまいましょう。
もし、助けを求められたら、
「これは難しいな。これをやろうとするなんて、すごいな。
他に何か力になれることがあれば言ってほしい。」
といって、また別の手伝う発言をしておけばいいです。
ここまでで、あなたはもう「いい人戦略」の基本を身につけました。
次に、最後の仕上げとして、戦略を続けるための心構えをお伝えして、
この記事を締めくくりましょう。
終わりに
──「いい人ではない自分」を受け入れること
ここまで、「いい人戦略」として、“損をしないやさしさ”を紹介してきました。
共感の言葉、応援の姿勢、忘れる力――
どれも大事ですが、最後にひとつだけ、大切な心構えをお伝えします。
それは、
「自分は決して本当の意味で“いい人”ではない」と自覚しておくことです。
なぜか?
それは、「いい人は損をする」からです。
本当に優しい人、本気で他人のために動ける人は、時に自分を犠牲にします。
面倒なトラブルにも手を差し伸べ、見返りを求めず、誤解されてもなお他人のために動く。
でも、私たちはそこまで強くはありません。
全部に首を突っ込んで、全部に応えようとしたら、自分の心がすり減ってしまう。
だからこそ、戦略として“ふり”をする。
「困ってる?大丈夫?」と声をかけるけれど、本気で背負い込まない。
「応援してるよ」と言うけれど、現場までは行かない。
「共感してるよ」と言うけれど、アドバイスは控える。
それでいいんです。
むしろ、そのくらいが健全なんです。
でも、そんなふうに自分を守りながら生きていると、
ごくたまに、本当に他人のために尽くす“本物のいい人”に出会うことがあります。
そのときは、心の底から尊敬してほしいのです。
「ああ、あの人は本物だ」と、ただ静かに認めること。
自分が“ふり”でやっていることを、本気でやっている人を、バカにしないこと。
それが、自分の価値を守りながら、他人への敬意も忘れない――
バランスのとれた生き方だと私は思います。
さて、この戦略を紹介することはかなり悪い人戦略ですね。
でも、貴方が苦しまないように。
今回の内容をより深く学びたい方は以下の本を
手に取ってみてください。
私自身、能力至上主義なので能力こそ、自分の価値に直結すると信じていました。
まず自分の能力を上げること。でも、やっぱり自分より優れている人にどこかで出会い、
劣等感を感じました。
自分を活かすために必要な考えと行動【人と比べることで傷つく貴方へ】
ただ一番つらかったのは、自分より明らかに能力に劣っていても自分より評価される人がいることです。
そこで必要になってくるもの1つが、communityだと気づきました。